赤外分光

塩化水素の赤外吸収スペクトル。振動準位・回転準位の遷移に由来する構造が明確に現れている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

赤外分光法とは、測定対象の物質に赤外線(赤外光2.5~25µm)を照射し、透過(あるいは反射)光を分光することでスペクトルを得て、対象物の特性を知る方法です。対象物の分子構造や状態を知るために使用されます。 物質は、赤外線を照射すると、それを構成している分子が光のエネルギーを吸収し、量子化された振動あるいは回転の状態が変化します。したがって、ある物質を透過(あるいはある物質で反射)させた赤外線は、照射した赤外線よりも、分子の運動の状態遷移に使われたエネルギー分だけ弱いものになります。

この差を検出することで、分子に吸収されたエネルギー、言い換えれば対象分子の振動・回転の励起に必要なエネルギーが求まります。 分子の振動・回転の励起に必要なエネルギーは、分子の化学構造によって異なります。したがって、照射した赤外線の波数を横軸に、吸光度を縦軸にとることで得られる赤外吸収スペクトルは、分子に固有の形を示します。これにより、対象とする物質がどのような構造であるかを知ることができ、特に有機化合物の構造決定によく使われます。

また、同じ分子であっても、温度や周囲の状況(自由に動いているか、何かの表面に吸着しているか、など)によって、赤外スペクトルは微妙に変化します。これより、物質の表面構造などについても知ることができます。

現在よく用いられている赤外分光装置は、フーリエ変換型赤外分光 (FT-IR) のものです。この装置は、主に光源、試料設置部、分光部、および検出器からなります。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

PAGETOP