フォトン システムズ社 (Photon Systems) DUV Raman/PL 200
DUV Raman/PL 200
深紫外ラマン/フォトルミネッセンス分光器
深紫外ラマン分光学では、今まで、水冷クーラーおよび 15 kWの電力を要する大きくて高価な検出器とレーザー付きの大型で高価な分光システムを、4×8 フィート(1.2 x 2.4メートル)光学定盤上で周辺機器付きの大規模なシステムとして構成せざるを得ませんでした。
しかし、新しいフォトンシステムズ DUV ラマン分光 / PL 200 システムは、深紫外レーザー、分光器、検出器とエレクトロニクス、コンピューター制御のデュアルグレーティングマウントおよびサブミクロン XY 顕微鏡ステージサンプルポジショナーがすべて一つのパッケージに収まる完全に内蔵一体型の装置です。
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主な特長
- 完全一体型
- 顕微イメージングシステム搭載
- ラップトップまたはタブレット以外は不要です。
- 大きさ︓幅 18.3cmx 高さ 20.9cm x 奥行 57.4cm
- 重量 < 11.4kg
- 電力消費量 < 25 W
- 休暇への持ち出し可能 バッテリー駆動
仕様
励起波長 | 248.6nm |
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偏光方向 | ランダム(目標試料の偏光に無反応なラマン署名) |
スペクトログラフ | デュアルコンピュータ付きの200mm チェルニーターナーで4200& 600g/mmホログラフィックグレーティングをコントロール |
分散 | 1.9 cm-1 / ピクセル(w 4200 g/mm グレーティング) |
分解能 | <8 cm-1(75μmスリット付) |
入射スリット | 固定、選択可能 |
スペクトル拡散 | 300-4000 cm-1 (4200 g/mmグレーティング) 250~450 nm (600 g/mm グレーティング) (0.6 nm 解像度) |
検出器 | 3ステージ TE 冷却式(- 35℃)、薄化背面、背景光付きUV CCD アレイ 2048×128 要素、 12×12 ミクロンピクセル |
対物レンズ | 5X 深紫外アクロマティック対物レンズ(標準仕様) 3X 、10X 、20X 、40X の対物レンズを利用可能 コンテキスト撮像カメラ: 2.4 メガピクセル |
FOV 画像 | 1.3 mm以下、対象物に依る |
サンプルステージ | 50x50x10mm X-Y-Zマニュアル(標準仕様) |
モーター駆動位置/マッピングステージ | 50×50 mm X-Y モーター駆動, 10mm Z マニュアル, 2μm 解像度, オプションを参照 |
サイズおよび重量 | 7.0インチW x 8.0インチH x 24インチD <25ポンド |
電力消費量 | 待機時8W、最大消費電力60W |
入力電源 | 85~270 VAC あるいは24 VDC |
レーザー安全 | Class I, DHHS/CDRH, CE, RoHS |
コマンドおよび制御 | USB経由での外部ラップトップ あるいはタブレット機によるコマンド、制御、データ処理、計量化学、データストレージなど。 |
特許 | 合衆国特許 6,278,869 7,800,753 8,395,770 および申請中 |
なぜ「深紫外・分光法(Deep UV Spectroscopy)」なのか?
深紫外領域の波長励起によるラマン及びフォトルミネッセンス分光法は、非常に大きな可能性を持った注目すべき新・分析機器技術であり、その用途は産業用、研究用など広範囲に及びます。従来の近紫外、可視、近赤外領域におけるラマン分光法では、測定物質(サンプル自体)からの蛍光、或いはその周辺からの蛍光信号が強い為、ラマン信号は蛍光に埋もれてしまったり干渉してしまい、ラマン信号の実測が難しいといったところが現状でした。ラマン分光法が有用な分析法とされていても、その様な難しさがありました。
物質の固有蛍光(native fluorescence)という現象は、通常、励起光源の波長の如何にかかわらず、約270nm以下の波長帯域には起こらないことが知られております。一方、ラマン現象は励起波長に依存し、励起波長に対しラマン・シフト分だけズレた波長にラマン散乱が起こります。そこれ、250nm以下の光源で物質を励起することで、固有蛍光の影響を受けない「蛍光フリー領域(fluorescence-free range)」を250nm~270nmに設けることが可能となります。結果として、250nm~270nm帯域でラマン信号が測定可能となります。(例:250nmで励起した場合、ラマン・シフトで3000cm-1辺りまでの領域)。
250nm以下で励起すると、ラマン・スペクトルと蛍光スペクトルを同時検出ができ、且つ、高感度な蛍光スペクトル検出と特異性の高いラマンスペクトル検出が可能となります。更には、共鳴効果によりラマン信号を増強させることで、ラマン波形をシンプルで解釈し易くすることが出来ます。
また、深紫外領域の波長なので、励起光源の侵入深さは極めて浅くサンプルの極表層に限定され、下地としてある周辺物質(基質など)から信号の影響も極めて少なくすることが可能となります。
これまで適切な深紫外レーザー光源が存在しなかったことは、深紫外・共鳴ラマン、フォトルミ分光法のネックとなってきました。しかし米国Photon Systems社は、この問題を解決すべく、新たなレーザー技術開発を完了いたしました。Photon Systems社製レーザーの特質すべき点は、非常に狭いスペクトル線幅をもち、安定した発振を行うことができ、軽量・小型・低消費電力を実現しています。産業分野から最先端研究まで幅広い分野で採用されており、更には厳しいチェック審査を経て、2020年火星着陸予定の探査機ローバー搭載の深紫外ラマン・蛍光分光器としてNASA(アメリカ航空宇宙局)に採用されました(the Mars 2020 lander mission)。
フォトン システムズ社 (Photon Systems) DUV Raman/PL 200のテクニカルノート
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