HN-STR-07ランダム偏光および直線偏光のHeNeチューブ (Pacific Lasertec社)

2025年 07月22日

多くのアプリケーションではビームの偏光が重要ではないため、たいていの一般的なHeNeレーザーチューブはランダム偏光です。他の箇所で触れたように、ここでの「ランダム」という表現は、偏光が必ずしも完全に跳ね回っていることを意味している訳ではありません。実際、こうした挙動のほうがどちらかと言うと異常でしょう。その言葉が意味するのは、偏光をコントロールするために特別なことを何もしていないということです。典型的なHeNeレーザーは、隣接するモードが互いに偏光が直交する状態で、数本の縦モード(何本が存在するかは共振器のチューブ長に依存します)として発振します。モードのそれぞれが相対的な強度を長時間に亘って周期的に変えるか、あるいはチューブが加熱して拡張するときに突然偏光方向を切り替えることもあります。 短いチューブ(典型的に5から6インチ長)という特殊な場合には、2本のみのモードが発振して互いの出力が等しいときの出力は非偏光のように見えます(外部の偏光子をビーム内で回転すると一定の強度を示す)。しかしモードがゲインカーブ内でシフトすると、1本あるいは他の偏光方向が支配的となります。より長いチューブの場合、両方の偏光で常に複数のモードが存在することとなり、その影響はかなり少なくなるでしょう。

pagetop