テクニカルノート

共振器の構成と励起プロセス

2020年 03月03日

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He – Ne 混合ガスが励起されると、自然放出によりすべての可能な遷移が安定した比率で起こります。 但し、光子の大部分がランダムな方向と位相で放出され、これらの波長の内の1つの光だけが、レーザービームの中で必要とされます。この点では、基本的に若干のヘリウムが混入されたネオンサインの発光を得ることになります!
自然放出をレーザーの誘導放出に変えるために、これらの波長の内の1つを選択的に増幅する方法が必要とされ、フィードバックを提供することにより、持続する発振が維持さます。これを達成するには、ファブリィ – ペロー共振器あるいはキャビティとして知られる1対のミラーの間に放電を形成する方法があります。片方のミラーは全反射し、他方のミラーはビームが透過できるように部分反射します。

1つのミラーが完全に平らであるか、あるいは両方とも球面であり、典型的には曲率半径(RoC = 2×焦点距離)がキャビティ長(L)よりも少し長いか、さらに長く設定されます。 両方のミラーが曲率半径をキャビティ長(L)と等しくなるため、キャビティ構成は「共焦点キャビティ」(2つの鏡の焦点が完全一致する)と呼ばれます。けれどもそれは限界ギリギリの安定に過ぎません。そのため、曲率半径はキャビティ長(L)より少しより長く設定されます。2枚の平面ミラーで構成されるキャビティはぎりぎりの安定状態であり、本質的には光軸調整を行うことや長時間に亘ってアラインメントを維持することは不可能です。そのため並行平面キャビティは決して He-Neレーザーで採用されません(但し一部のパルス固体レーザーなどでの採用例はあります)。湾曲したミラーは結果として安定した構成を光軸調整することをより容易にしますが、製造するには平面ミラーより高価となる上に、発振媒体容量が少なくなるため、効率的ではありません(ボア内のビーム形状を考えてみてください)。共焦点構成キャビティは、光軸調整することが最も容易であるが発振媒体の使用において非効率な真の球面のキャビティ(r= 1/2×L)と、光軸調整することが最も難しいけれども最大容量の発振媒体を使用できる2枚の平行ミラー(f = 無限)で構成されるキャビティの間での良い折衷となります。 (けれども上述のとおり、実用的な共焦点キャビティを構成するには、キャビティ長(L)より少し長い曲率半径を採用して、安定性を保証します。)

レーザーキャビティのタイプ

必要とされるレーザー波長で2枚のミラーが一組となってピーク反射率を持つようにミラーは製造されます。 (専門的な理由で、反射率が崖状を呈す(特定の波長で高反射率から低反射率に急激に変化する)ミラーを作ることは、特定のピーク反射率を保証することよりも容易です。) このピークに対応した遷移に起因する放出光子が自然発生的にチューブの長い軸と同一の方向で放出されると、励起された原子に対して追加の遷移を誘導します。 するとこれらの原子は同じ波長で同じ方向と位相でフォトンを放出します。放電によるそれぞれのパスが光の増幅(ゲイン)をもたらします。 もし誘導放出によるゲインが、不完全なミラーやその他の要因による損失を上回るなら、強度は増加し、レーザー光のコヒーレントビームがキャビティの片方の端にある部分反射ミラーを透過して発生します。適切な放電電圧を与えると、励起と発光は正確にバランスをとり、最大強度で継続する安定した出射ビームが発生します。

チューブの軸と平行に運動しない自然発生的な放出光子は、ミラーに全く当たらないか、ミラーでほんの2、3回反射されるだけの誘導光子となり、チューブの側面で消失します。 間違った(意図しない)波長で生じる放出光子は、ミラーで不完全に反射され、これらの波長の光も同様に消失します。

He-Ne 発振プロセスのまとめ

He-Neレーザーの励起と励起プロセス

He-Neレーザーは4つのレベルで遷移するレーザーです
(一般的な波長を生み出す特定のエネルギー準位遷移については上の表を参照):

1:励起されたヘリウム原子との衝突が、ネオン原子をレベル1(基底状態)からレベル4(可視波長を生み出す3s 状態)まで押し上げます。
2:可視光発振遷移は、3sから種々の 2p状態(波長に依存) すなわちレベル3への移行を意味します。
3:ネオン原子はそれから、急速に 1s状態すなわちレベル2に落下します。
4:基底状態すなわちレベル1への落下を促すのは、He-Neレーザーチューブのボア / キャピラリの壁への衝突です。

ほとんどの赤外波長発生では、レベル4は2s状態となり、レベル3が種々の2p状態となります。 但し、非常に強い3.39 μm線は可視の波長とまったく同じように3s状態を起源としており、そのため長い He – Ne チューブ内で可視波長と競合してしまうため、可視光の出力を最適化するには、この3.39 μm線を低減する必要があります。
ネオン原子の「s」状態は「p」状態のおよそ10倍の寿命を持っており、反転分布を維持することができます。なぜなら、誘導放出が行なわれるのに十分な時間に亘って、ネオン原子が2s状態に留まることができるからです。 但し抑制効果としてレベル1つまり基底状態に戻る崩壊が存在します。なぜなら、1s状態も長い寿命を持つからです。そのため、狭いボアを採用することで(原子同士の)衝突を促進することを企てます。しかし、それは損失の増加も同時にもたらします。現代の He-Neレーザーはいくつかの矛盾した必要条件の間の妥協で稼働します。その理由の一つは、最大出力が比較的低いことにあります。

赤(632.8 nm) He-Neレーザーのおよその参考値

ここで、計算をするとき役に立ち得る若干の共通の値と関係を紹介します。それらは正確なガス充填や環境条件といった他の要因に依存することもあって最も正確とは申せませんが、政府の仕事には十分に良いものと思われます。

波長: 632.8 nm.
光周波数: 474 THz.
ネオンのゲイン帯域幅: 1.6 GHz / 2.136 nm.
632.8 nmでの 1nm :749 GHz
632.8 nmでの 1 GHz :1.335 nm

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