テクニカルノート

⑫HeNe レーザーのコヒーレンス長

2022年 03月16日

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通常の HeNe レーザーは約 10~30cn のコヒーレンス長を持っています。キャビティ内に 1 個のエタロンを加えることによって縦モードを 1 本だけに絞ると、数百メートルにおよぶコヒーレンス長も可能となります。
当然、このような HeNe レーザーはずっと高価となり、大量生産されるアプリケーションではなく光学研究室などで見かける可能性が高くなります。ただしそれほど見慣れないわけでもなく高価でもない安定化 HeNe レーザーが容易に利用可能であり、直交する 2 本の縦モードで発振しそれらが特定の位置で固定されます。片方のモードを偏光子でブロックすると結果として生じるビームは何百メートルものコヒーレンス長を有する単一周波数となり、その長さは非常に多くの努力と出費なしに計測できる距離を遥かに越えるものとなります。

2次ビート安定化ランダム偏光 HeNe レーザーの例。
ヒーターでモードの位置を固定し、赤色のモード1本だけをビーム出射後に偏光子で取り出す。

以下のことが複数の縦モードで作動するファブリィー ペローキャビティを用いるすべてのレーザーに実際に当てはまります。それはこの質問「HeNe レーザーのコヒーレンス長はなぜチューブ長とだいたい同じとなる傾向があるのですか?」に対する答えは、「コヒーレンス長はチューブ長と等しいけれども有用なコヒーレンス長は一般に(単一モードに関する特殊な場合を除いて)もっと短くなる」です。

(Mattias Pierrou 氏からの引用)

HeNe レーザーでは典型的にほんの少数(ただし 2 本以上)の縦モードが存在します。これらのキャビティモードはミラー間の半波長の整数倍でなければならないことを意味する永続的な波の基準を満たす必要があります。周波数領域でこれが意味するのは、2 つのモードの間の「距離」が△ν=C /(2L)であり、Lはレーザー共振器の長さを意味するということです。

共振器長 140mm のランダム偏光 HeNe レーザーの縦モード

モード間のビート周波数は周期 2L/C の時間的コヒーレンスでの周期的変化、つまり n* 2L(n=整数)の経路差での 2 本のビーム間で得られるフルコヒーレンスを生み出します。もし周波数が 1 つのみの場合、コヒーレンス長は無限(つまり他の場合にはコヒーレンス長を制限するこのモードのスペクトル幅を無視できるならば)となります。モードが 2 本あるならコヒーレンスは(サインカーブのように)調和して変化します。レーザー内により多くのモードがある場合、より短いモードが良いコヒーレンスの範囲(経路差)となりますが、コヒーレンス時間は同じままとなります。

マイケルソン干渉計を設置してこの現象を試すことができ、等しい光路長設定で始めるともちろん良いコヒーレンスを得られます。それから干渉縞として見えなくなるまで片方の光路長を増やします。この状況は 2L より少しだけ短い経路差の範囲で起こるはず(経路差が光路差の 2 倍であることを思い出してください!)です。もしレーザーにモードが 2 本しか無い場合には干渉縞が見えなくなるのは正確に 2L の位置です。更に経路差を 4L(光路差は 2L)に達するまで増やし続けます。ビーム間で復活したコヒーレンスにより再び干渉縞がくっきりと現れるはずです。

マイケルソン干渉計の基本構造
http://wakariyasui.sakura.ne.jp/ohennji/201007michelson.html
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