LIBS用途に最適なパルスレーザーとは?Cobolt Torが切り拓く元素分析の新領域|Cobolt社 Torシリーズ
2025年 10月06日
🔬 LIBS分析とパルスレーザーの関係
近年、材料表面の非破壊・リアルタイム元素分析技術として注目を集めるのがLIBS(Laser-Induced Breakdown Spectroscopy)です。
レーザーで試料表面を高エネルギーで照射し、生成されるプラズマから放出されるスペクトルを解析することで、元素の種類と濃度を定量的に評価します。
このLIBS技術では、照射するレーザーのパルスエネルギー、パルス幅、ビーム品質、安定性が分析精度を左右します。
特に産業用途や材料開発の現場では、装置への組込みやハンドヘルド化の要望も強まっており、コンパクトかつ高性能なレーザー光源が求められています。
🔬Cobolt社 Torシリーズ:ナノ秒パルスに特化した高性能レーザー
HÜBNER Photonicsグループが提供するCobolt社 Tor™シリーズは、LIBSアプリケーションに理想的なナノ秒パルスレーザーです。
ダイオード励起のQスイッチ固体レーザー構造を採用し、以下のような特長を備えています。
- 波長ラインナップ:1064 nm / 532 nm / 355 nm(多様な材料に対応)
- パルス幅:2〜5 ns(高い空間・時間分解能)
- パルスエネルギー:最大500 µJ(厚みのある試料でもしっかりアブレーション)
- 繰返し周波数:最大7 kHz(高速イメージングに最適)
- ビーム品質:TEM₀₀、M² < 1.3(微細なスポット照射に対応)
- 堅牢設計:独自のHTCure™封止技術により高信頼性・高耐環境性
- 外部トリガ対応(XE,XSシリーズ)・アライメントフリー設計
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これらの仕様は、静的分析装置はもちろん、高速マッピング装置や携帯型システムへの搭載にも対応可能です。
🔬 リヨン大学チームの研究:高速LIBS顕微鏡への応用
Cobolt社 Tor™の実用性は、近年の研究事例からも明らかです。
Tercier、C. Alvarez-Llamas、S. Hermelin、C. Dujardin、V. Motto-Ros は、フランス/リヨン大学の Institut Lumière Matière UMR 5306 に所属しています。
Tercierらによる研究では、1064 nmのTorレーザー(150 µJ, 4 ns, 8 kHz)を搭載したμ‑LIBS顕微鏡を開発し、
10 µm分解能で1 cm²領域の高速マッピングを20分以内に実施することに成功しました(参考:Spectroscopy Magazine, 2023年11月号)。
さらに、ハンドヘルド型LIBSデバイスへの搭載事例もあり、
アルミスクラップ選別のような産業現場でのリアルタイム分析にも応用可能であることが示されています。
Torのコンパクト設計と高パルス安定性が、実用化を後押ししているのです。
🔬 民間研究現場での利点
民間企業の開発研究現場では、LIBSを活用した新素材評価やリサイクル材の分類、
生産ラインでの品質モニタリングなど、応用範囲が広がっています。
Cobolt社 Torシリーズは以下の点で現場のニーズにマッチします:
- 小型筐体・アライメントフリー:既存装置への置換や省スペース設計が容易
- 長寿命・堅牢設計:連続運用にも耐える産業グレード
- 安定したパルス出力:データ再現性・分析信頼性を担保
- 高ビーム品質:微小領域へのエネルギー集中が可能
また、UV(355 nm)モデルは非金属・絶縁体試料に、532 nmモデルは生体材料やプラスチックに、
1064 nmモデルは金属や高反射材料に適しており、材料に応じた選定が可能です。
🔬 まとめ:LIBS装置の進化を支える光源選びに
Cobolt社Torシリーズは、LIBSアプリケーションにおいて、コンパクト性・高性能・高信頼性を高次元で両立したレーザー光源です。
リヨン大学チームの研究をはじめとした応用実績もその品質を裏付けています。
「ハンドヘルド分析装置に適したパルスレーザーを探している」
「微細分析に最適なレーザー光源を選びたい」
といったニーズに対し、Cobolt社 Torは確かなソリューションを提供します。
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