テクニカルノート

ドップラーCIS分光法用の新たな波長校正用光源を実現

2019年 06月07日

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<要旨>
広範囲な波長可変が可能な新製品のCWレーザー「C-Wave」は、光子の偏移がない、質量中心の波長で直接にキャリブレーションができるので、450nm~650nmの波長範囲でこれまでにない高波長分解能でのプラズマ計測を実現しており、ドップラー・コヒーレンス・イメージング分光法に適している。さらに、±50pmという狭い波長範囲で観測したい波長の走査が行えるので、測定結果から得られた位相差 ΔΦ からドップラーラインシフトΔλ(光などの波の発生源が移動する、あるいは観測者が移動することで観測される周波数が変化する現象)へと容易に変化させることができる。このドップラーシフトは、注目すべき物理的パラメータ、つまり観測されるプラズマ種における粒子の速度と対応している。

最初に、±50pmのC-Waveレーザーを用いて、対象となる単一粒子のプラズマライン(464.881nmにおけるCIII輝線)の周りの波長走査を行った。本論文では、その計測結果を検討し、シミュレーションによる波長走査と比較する。これによって「C-Wave」が、ドップラー・コヒーレンス・イメージング分光法における波長校正用光源としての機能を有しているだけではなく、対象となるほぼすべての可視領域におけるプラズマラインの観測に適したドップラー・コヒーレンス・イメージング分光法の分析を将来的には極めて簡略的に行うことができるであろうことも示唆している。

1. はじめに
ドップラー・コヒーレンス・イメージング分光法(CIS)は、プラズマなどの輻射体から高速の粒子の流れを測定するための比較的新しく有力な方法である。この手法は、視線方向の粒子形状のパラメータを2次元で画像処理することができるため、DIII-D(米国、ジェネラル・アトミクス社)・MAST(英国、カラム研究所)・ASDEX Upgrade(ドイツ、マックス・プランク研究所)・Wendelstein 7-X(ドイツ、マックス・プランク研究所)などの高温プラズマ実験装置でますます用いられている。また、この手法によって、プラズマからの単一輝線(発光線)を計測することが出来る。この単一の輝線スペクトルとともに、カメラのチップ部品上にある複屈折板によって空間的な干渉縞が生じる。計測されたプラズマラインの干渉縞を解析するために、単色光の検量線を使って参照光の干渉縞を発生させる。理想的な検量線の範囲は、観測されるプラズマラインにおいて光子の偏移がない、質量中心の波長である λ0である。可視光スペクトルにおける注目すべきエネルギーの強い(不純物)プラズマラインには、CIII、CII、HeII、その他の高励起輝線が含まれる。しかしながら、これらの原子の輝線は、通常、従来のスペクトルキャリブレーションランプでは発生させることはできない。このため、観測される多くのプラズマラインの計測には、数ナノメートル付近の λ0における校正波長を用いる。一例として、464.881nmにおける多重項構造のCIII輝線が挙げられる。多重項構造のCIII輝線を求めるために、通常、468.014nmにおける亜鉛(I)の検量線が用いられる。このような場合、ΔΦ(位相差)→ Δλ(ドップラーシフト)へ変化する関係を解析することは、はるかに困難になる。ドップラー・コヒーレンス・イメージング分光法(CIS)で用いる複屈折板により発生するさらなる位相効果を考慮して正確に判断しなければならないからだ。

従来のキャリブレーションの方法は、スペクトルランプや古いレーザーに依存していたので、検量線における精度やスペクトルの強度には大きな制限があった。しかし、光子の偏移がない検量線(λcali = λ0)を用いることで、メーカーによって要求されるような精度で提供できない特定の光学素子や複屈折板に関する非常に正確な知識を要する分析用語をさらに使用する必要がなくなる。予期されるような高温プラズマ実験の境界領域における粒子種のドップラー効果によるスペクトル線の偏移範囲に対応する波長走査範囲の狭い(中心波長 λ0から±50pm以内)を持つレーザーを用いると、適用される複屈折板の設定を求めるために ΔΦ(位相差)→ Δλ(ドップラーシフト)へ変化の関係を確実に決定することができる。さらに、いかなる複屈折板パラメータの模擬もする必要がなくなる。これは、C-Waveレーザーでも多重項構造を測定する場合、さらなる多重項構造の位相オフセットを生成するCIIIのような多重項構造の輝線スペクトルにも当てはまる。

新しく開発された広帯域・波長可変・CWレーザーのC-Waveは、光パラメトリック発振器(OPO)の技術をベースにしており、可視光のほぼ全域(450-525nm及び540-650nm)と近赤外光(900-1300nm)のスペクトル範囲をカバーし、単色光の輝線スペクトルを光源とする。ドップラー・コヒーレンス・イメージング分光法(CIS)で、高精度(<0.1pm)で正確な波長選択と高分解能(λ0±50pm)の波長スキャンを実現するために、C-Waveレーザーを特別にカスタマイズした。これは、新しく開発された「AbsoluteLambda」ソフトウェアにより可能となる。「AbsoluteLambda」ソフトウェアには、高分解能の波長計によって常に発振波長をモニタリングするフィードバックループが含まれている。安定性に関しては、レーザーは、通常、選択波長 λ0まで安定するのに数分を要するが、大きな振動による影響がなければ、<0.01pmという高分解能で数日間、選択波長を確実に維持することができる。選択した中心波長 λ0付近の±50pm以下における波長可変が高速かつ高安定に可能で、希望する波長に設定するのに数秒しかかからない。この件は、図3に示しているので参照されたい。この新しい波長校正用光源を用いると、下記のように、問題のあった従来のドップラー・コヒーレンス・イメージング分光法(CIS)の波長校正用光源に対応することができる。

1. 450-525nm及び540-650nmの範囲におけるすべてのプラズマラインを、光子の偏移がない質量中心のラインの位置に完全にキャリブレーションすることができる。
2. スキャン範囲の狭い(波長分解能:±50pm)レーザーを用いて、ドップラー・コヒーレンス・イメージング分光法(CIS)で用いる複屈折板の設定を求めるために、CIS分光法での ΔΦ(位相差)→ Δλ(ドップラーシフト)へ変化する関係を直接に測定することができる。また、シミュレーションが不要である。

これにより、ドップラー・コヒーレンス・イメージング分光法(CIS)システムだけでなく、高波長分解能分光器などの他の分光システムに対しても確実に波長校正することができる。その他の波長校正用レーザー光源には、波長可変半導体レーザーがある。これは通常、数ナノメートルの波長可変範囲を実現している。Wendelstein 7-Xにおける2台のCIS分光システムにおける波長校正用光源として、波長可変レーザー「C-Wave」を使用する。この研究では、まず、C-Waveレーザー(波長分解能:±50pm)を用いて、対象となる単一プラズマライン(464.881nmにおけるCIII輝線)の周りの波長走査を行い、シミュレーションによる波長走査と比較する。これは、ドップラー・コヒーレンス・イメージング分光法(CIS)における波長校正用光源としての機能を明らかにするために行い、下記によって、複雑なCIS分光法の分析手順を大きく簡略化する。

1. λcali ≠ λ0による生じるさらなる位相項を決定する必要性を省く
2. 使用する複屈折板の設定を求めるために波長をスキャンした場合、分散関数 ΔΦ/Δλ を計算する必要性を省く

CIS分光法の分析に関しては、これまで多くの研究で論じられており、本稿ではこれ以上言及しない。

2. 波長可変レーザーを用いた波長スキャン
[5] の研究にて報告されているように、Wendelstein 7-X(W7-X)装置には2台のCIS分光システムが用いられている。これらのシステムにより、異なるビューポート(プラズマ観測窓)から同じダイバータ領域(核融合炉の一部)を観測することができるので、線積分値としてのレーザー放射や流動パターンをさらに理解することができる。これら2台のシステムの名前は、プラズマ観測窓のAEQ21及びAEF30から由来しており、また異なった複屈折板の設定によっても特徴づけられる。複屈折板の厚さ、材料、種類により、観測される輝線の波長に対する干渉稿の位相シフト量が決まり、使用する複屈折板の板厚が厚いほど、より小さな波長シフト量を解消することができる。C-Waveを用いて狭い範囲の波長走査を行い、それと同時にW7-X装置に搭載した2台のCIS分光システムを用いてこの2台のシステムの波長における位相依存性を評価した。測定は、2分岐ファイバーを固定波長の基準光源として用い、C-Waveレーザーの出力部とHeNeレーザーの出力部に取り付けて行った。2分岐ファイバーを介して、2台のシステムのキャリブレーション基準球を各レーザーに同時に接続した。

全波長の走査は、数分間行った。しかしながら、数分という時間であっても、複屈折板の周りの温度が変化することがある。複屈折板の屈折率ne及びnoは、複屈折板への入射光の位相シフトを決定し、波長とともに材料の温度にも依存する。そのため、複屈折板の周囲温度が変化すると、位相変化 及び 位相歪みが生じる可能性がある。W7-X装置への2台のCIS分光システムの搭載には、複屈折板の温度管理をするための能動型又は受動型温度センサ(例:温度管理用の電池又はオーブンを介すなど)を含まないので、温度変化の影響をモニタリングするためにHeNeレーザーの基準線が必要となる。[9] の68頁で最初に報告されたように、632.8163nmで観測されるHeNeレーザーの輝線はC-Waveレーザーの波長帯から十分離れており、フーリエ解析で区別できるので、このような状況でHeNeレーザーを同時に使用することができる。フーリエ空間における2つのピークの距離は、波長と干渉稿の大きさに依存する。波長可変レーザーC-Waveの波長は、464.8811nmにおける多重項構造のCIII輝線である光子の偏移がない質量中心の波長に設定し、C-Waveの中心波長から±50pmの分解能で違いが出た。図1に、2台の単色光であるレーザー波長により生成された干渉縞を示す。2つの重なったビームを変調したときの干渉稿から構成される。図2は、W7-X装置に搭載された2台のCIS分光システムからの各波長のピーク(632.8-464.9nm=167.9nm)がフーリエ変換により空間的に完全に分離していることを示している。逆フーリエ変換したときの波長領域は小さくなるので、2つの波長を同時に測定する際の空間分解能は悪くなる。

図1:464.881nm励起のC-Waveレーザー及び632.816nm励起のHeNeイオンレーザーで記録されたドップラー・コヒーレンス・イメージング分光法(CIS)による干渉縞(プラズマ観測窓のAEF30 搭載CIS分光システムから取得)
図2:図1の干渉縞を2次元フーリエ変換処理した画像

現在のプラズマ実験キャンペーンであるOP1.2bでは、W7-X装置に搭載された2台のCIS分光システムに使用する各複屈折板の設定は異なるものとした。AEQ21システムの複屈折板は、α-メタホウ酸バリウム(α-BBO)複屈折結晶を使った10mm長のビームディスプレーサーであり、2台目のAEF30システムの複屈折板は、α-メタホウ酸バリウム(α-BBO)複屈折結晶を使った10mm長のビームディスプレーサー及びα-メタホウ酸バリウム(α-BBO)複屈折結晶を使った6mm長の位相遅延プレートである。図3はC-Waveを用いた波長走査を、図4は波長可変レーザーの位相差とHeNeレーザーの位相差における時間的変化をそれぞれ示している。どちらも2台のCIS分光システムを同時に用いている。まず、波長可変レーザーC-Waveの波長は、基準点(ΔΦ=0°)として設定した464.8811nmにおける多重項構造のCIII輝線の質量中心の波長の周りで数回5pm及び10pmの波長間隔(ステップ)で、減少及び増加した。どちらの図でも、スキャンされたデータが時々中断されて見えるが、これはC-Waveレーザーがこれらの範囲で波長変換後に安定化するには、ほとんどの場合、1、2秒を必要とするためである。予想通り、位相遅延プレートも使用しているAEF30システムの方が、位相変動が激しい。しかし、AEF30システムの方が位相の温度ドリフトがわずかに高く、C-Waveレーザーに対しては10分間にわたりΔΦ≈3°、HeNeレーザーに対しては10分間にわたりΔΦ≈0.3° の温度ドリフトだった。AEQ21システムでは、使用した複屈折板の数がAEF30システムよりも1つ少なかったため、どちらのレーザーに対しても10分間にわたりΔΦ<1° の温度ドリフトだった。さらに、AEQ21システムでは、複屈折板であるビームディスプレーサーの軸方向が異なっていたために、ΔΦ(位相差)と Δλ(ドップラーシフト)の関係を示す符号がAEF30システムの符号とは逆であった。

図3:波長スキャン実験中のC-Waveレーザーの波長。赤紫色の印は、この研究で分析される各波長間隔を示す(図の説明における色についての参考文献の解釈については、この論文のweb版を参照されたい)。
図4:AEQ21(複屈折板に10mm長のビームディスプレーサーを使用)とAEF30(複屈折板に10mm長のビームディスプレーサーと6mm長の位相遅延プレートを使用)のW7-X装置に搭載した2台のCIS分光システムでそれぞれ同時にC-Waveレーザーの波長走査を行った。表示しているのは、固定波長のHe-Neレーザーの位相差を平均化した測定データとC-Waveレーザーの位相差である。分析されるドップラー・コヒーレンス・イメージング分光法(CIS)における画像の中心部50ピクセルのΔΦ(位相差)を平均化した。基準となる位相画像として、最初に測定した画像を撮影した。

温度誘起による位相ドリフトは、波長ごとに異なり、その影響は、AEF30システムのスペクトルを示す赤線よりもAEQ21システムを示す青線の方で強く表れているように見える。この影響は、[9]の研究ですでに報告されており、ここでは、異なった複屈折板の設定により、全体的に位相ドリフトがより強く表れているのが観測された。HeNeレーザーを用いて、温度誘起による位相ドリフトのモニタリングを行うことができ、AEQ21及びAEF30の両システムに対して比較的線形に変化する位相が観測できた。従って、C-Waveレーザーにおける温度ドリフトも同様に線形に変化すると仮定することができる。温度誘起による位相ドリフトの比率を、λ0=464.8811におけるすべての位相データを表す点線で推定した。また、この比率を測定された位相から減算して、C-Waveレーザーにおいて温度ドリフト補正を行ったΔΦ(位相差)→ Δλ(ドップラーシフト)への変化の関係を抽出した(図5参照)。

図5:W7-X装置に搭載された2台のCIS分光システムにおけるΔΦ(位相差)→ Δλ(ドップラーシフト)への変化の関係を測定によって得たデータ(赤線)及びシミュレーションによって得たデータ(黒線)。
(図の説明における色についての参考文献の解釈については、この論文のweb版を参照されたい)。

図5は、W7-X装置に搭載された2台のCIS分光システムにおいて測定されたΔΦ(位相差)→ Δλ(ドップラーシフト)への変化の関係を示す。データの点線は、スキャンされる波長間隔(ステップ、図3及び図4にて表示)ごとに時間平均した位相を表す。AEF30システムの正位相は、赤方偏移(光源が観測者から遠ざかる場合)を示す線に対応しており、その一方、AEQ21システムの正位相は、光源が観測者に近づく場合に対応する。比較するために、シミュレーションしたΔΦ(位相差)→ Δλ(ドップラーシフト)への変化の関係を図に付け加えて、理論的予測を定量化している。位相遅延プレート又はビームディスプレーサー(どちらも複屈折板)によりシミュレーションされた位相シフトを、[10]にある式に従って計算することができる。この計算をするには、以下のパラメータを正確に把握する必要がある。

・ 使用している材料の複屈折率「ne, no」(本研究ではα-BBO結晶を使用、[11]参照)
・ 複屈折板の厚さ「L」
・ 複屈折板の軸方向「θ」
・ 入射光と複屈折板表面の間の角度「α」
・ 複屈折板表面に入射光を投影したときの角度「δ」

複屈折板のパラメータは、正確に知る必要がある。筆者は、メーカー提供のデータから詳細な情報を得ている。パラメータの不確実性がわずかでもあれば、複屈折板の指数データが不正確な場合と同様に、ΔΦ(位相差)から既定のドップラーシフトΔλへの変化方法に影響を及ぼす可能性のある位相オフセットを引き起こす。図に見られるように、測定されたΔΦ(位相差)→ Δλ(ドップラーシフト)への変化の関係とシミュレーションされたΔΦ(位相差)→ Δλ(ドップラーシフト)への変化の関係はよく一致しており、研究モデルの有効性を実証している。AEF30システムにおいて、シミュレーションされたデータと測定されたデータの間の偏差は、Δλ=30pmに対してδΔΦ≈3°である。AEQ21システムでは、シミュレーションされたデータと測定されたデータの間の偏差は、Δλ=30pmに対してδΔΦ≈1.5°である。[12]の研究論文で示唆されているように、この2台のシステムのCIS分光システムの比較をシミュレーション用に複屈折板のパラメータを合わせるために用いる可能性もある(本研究では行っていない)。図5のデータで明確に示されているように、多重項構造のCIII輝線を求めるために468.1nmにおける亜鉛(I)のような従来のキャリブレーション光源を用いた場合、大きな位相速度の誤差が生じる。このような従来のキャリブレーション光源からの波長は、観測されるプラズマラインにおける整数質量中心の波長とは異なるからだ。この位相速度の誤差は、複屈折板のパラメータの不確実性が非常に大きいときに、線形位相シフトであるΔΦ(位相差)→ Δλ(ドップラーシフト)への変化を外挿法により求めた場合に起こる。AEF30システムを例にとると、Δλ=3nmに対しておよそδΔΦ≈300° (δv≈70km/s)となる。これは、[12]の論文で示した研究とも一致している。これらの大きな位相オフセット/位相誤差を解決するには2つ方法がある。努力して複屈折板のパラメータを合わせるか([12],[9]参照)、(λcali0)で波長校正を行い波長可変レーザーのキャリブレーション光源を用いて直接ΔΦ→Δλを測定するかである。

3. おわりに
本論文の主要な目的は、C-Waveレーザーが、ドップラー・コヒーレンス・イメージング分光法(CIS)用の他のキャリブレーション光源として適していることを紹介し、CIS分光法における速度を解析するために必要となる ΔΦ(位相差)→ Δλ(ドップラーシフト)へ変化する関係を直接に測定することができることを明確に示すことである。従来のキャリブレーション光源(λcali≠λ0)を用いたドップラー・コヒーレンス・イメージング分光法(CIS)による解析では、あるドップラーシフトに対するΔΦ(位相差)を予め正確に想定できることが重要な前提条件であった。この場合、複屈折板の指数データ(ne, no)が正確でなければならない。さらに、複屈折板の厚さ、複屈折板の軸方向、カメラチップ部分へのビームの正確な入射角、CCDレンズの焦点距離「f」といった診断パラメータを非常に正確に把握する必要がある。このように、パラメータの不確実性が少しでもあると、ΔΦ(位相差)→ Δλ(ドップラーシフト)へ変化する関係を表す値のばらつき(位相変化のばらつき)をもたらす可能性のある位相オフセットが発生してしまう。このような状況下では、測定された位相データの解析は不可能ではない([12, 4])が、複屈折板の設定が毎回新しくなるごとに正確な複屈折板のパラメータを識別したり、同じセットアップを少し変更したりするだけでも、時間がかかるプロセスである。ドップラー・コヒーレンス・イメージング分光法における新しいキャリブレーション光源としてC-Waveレーザーを用いると、450-525nm及び540-650nmの範囲におけるすべてのプラズマラインを、質量中心の位置で直接に波長校正できる。本研究で明らかになっているように、将来的にはドップラー・コヒーレンス・イメージング分光法における位相のシミュレーション解析の必要性を省いて、C-Waveレーザーを用いて、ΔΦ(位相差)→ Δλ(ドップラーシフト)へ変化する関係を直接測定することができるので、ドップラー・コヒーレンス・イメージング分光法における分析がはるかに迅速かつ直接的になる。これは、同等の波長スキャンがすでに行われているので([12, 3, 9])波長可変半導体レーザーを用いても可能だと思われる。

<謝辞>
本研究は、欧州の核融合研究コンソーシアム(EUROfusion Consortium)の枠組みの中で行われ、補助金契約に基づき、欧州原子力共同体(Euratom)の研究・トレーニングプログラム(2014-2018及び2019-2020)から資金提供を受けたものである。本資料に掲載されている見解や意見は、必ずしも欧州委員会の見解及び意見を反映するものではない。なお、本研究の一部は、米国アラバマ州にあるオーバーン大学の物理学部門からのスタートアップ資金とともに米国エネルギー省(DoE)からの助成金契約DE-SC0014529 4に基づき、実施された。オーバーン大学には、W7-X装置に搭載のCIS分光システムのための資金提供及び支援をしていただき、深く感謝する。

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