レーザー冷却に最適なレーザーとは?狭線幅×波長安定で選ぶVECSELの実力|VEXLUM社
2025年 06月04日
🌐レーザー冷却に最適な波長と光源とは?
原子やイオンの運動エネルギーを極限まで下げる「レーザー冷却」は、
量子コンピュータや原子時計、量子センサなどの精密制御技術において不可欠な要素です。
冷却の際に用いられるレーザーは、対象となる原子の共鳴遷移と厳密に一致した波長と、
極めて狭い線幅、さらには長時間安定した周波数特性が求められます。
具体的には、ルビジウム(Rb)であれば780nm、イッテルビウム(Yb)であれば556nmや399nm、
カドミウム(Cd)では214.5nmなど、用途によって最適波長が異なります。
また、冷却効率を左右するのは、単に“波長が合っている”という条件だけではありません。
対象原子の自然線幅(数MHz程度)に対して、レーザー側の線幅が数十kHz〜数百kHzと非常に狭いこと、
ビームの強度揺らぎ(RIN)が少ないこと、周波数ドリフトがなく同じ条件で連続照射できることが重要です。
つまり、レーザー冷却には「安定性」と「狭線幅」の両立が欠かせないのです。
🌐 冷却用レーザーにおける波長選定とカスタマイズの柔軟性
冷却に使用するレーザーは、多くの場合、ターゲット波長を±0.1nm単位で正確に出力できることが求められます。
しかし一般的なDFBレーザーやファイバーレーザーは、波長固定または可変範囲が狭く、
カスタム対応が難しいのが課題です。
VEXLUMのVECSEL(垂直外部共振器型面発光レーザー)は、この点において高い柔軟性を持ちます。
700〜2150nm(基本波)および350〜800nm(SHG)の範囲で、冷却対象に応じたセミカスタム波長に対応可能。
さらにモードホップフリーで数GHz幅の連続チューニングが可能なため、
共鳴ピークに対して最適なデチューニングを実現できます。
🌐 VALO/VXLシリーズが冷却用途に選ばれる理由
VEXLUMのVALOおよびVXLシリーズは、冷却実験に求められる特性をすべて満たしています。
たとえば、VALOシリーズは以下のような仕様を備えます:
- ライン幅:<100kHz(EOM搭載で高精度変調も可能)
- 波長安定性:多点温調+外部共振器で長時間安定
- 冷却方式:水冷(VALO)/空冷(VXL)
- ファイバ入出力対応で光学系への実装も容易
- 出力レンジ:0.5〜10W(SHGは0.01〜3W)
◎詳細仕様はこちら
特にVXLシリーズは1.2Lの超小型筐体で、装置組み込みや多チャンネル同時制御にも適しており、
レーザー冷却と同時にトラップ・読み出し・ポンピングを並列動作させるような高度な量子操作にも対応できます。
🌐 まとめ|冷却レーザーの“選定力”が実験成功の鍵を握る
レーザー冷却を成功させるには、単に対応波長を満たすだけでなく、
安定性・チューナビリティ・ビーム品質・装置への適合性といった複合的な性能が問われます。
VEXLUMのVALO/VXLシリーズは、それらをVECSEL方式で冷却用レーザーとして、
多くの量子制御現場で注目されています。
➡ 詳細なご相談やお見積もりはこちらから!