量子ゲート操作に最適なレーザーとは?VECSELが実現する超安定制御|VEXLUM社
2025年 06月02日
🌐 量子コンピュータに最適なレーザーとは?
量子コンピュータでは、量子ビット(qubit)をレーザーで操作することにより、計算処理が行われます。
特にイオントラップ型や量子ドット型といった物理方式では、
レーザー光を使って量子ビットを初期化・制御・読み出しすることが基本動作です。
例えば、イオントラップではRaman遷移を介したゲート操作、量子ドットでは共鳴励起と蛍光検出にレーザーが必要です。こうした操作はすべてレーザーの波長安定性・狭線幅・変調性・ビーム品質に影響を受け、演算の精度を決めます。
量子状態は非常に繊細なため、レーザー光の周波数がわずかに揺らぐだけで、演算結果が乱れる原因になります。
そのため、狭線幅、周波数安定性、低ノイズ性、そして量子操作に最適な波長で出力できる光源が求められます。
つまり、量子コンピュータ向けのレーザーは、高出力かつ、量子制御に適応した“超高安定”な光源です。
🌐 なぜ“サブHz級の狭線幅”が評価されるのか?
レーザー光のライン幅とは、発振周波数の揺らぎ(ノイズ)の広がりを表す指標です。
量子コンピュータの演算では、コヒーレンス(量子の重ね合わせ状態)を維持しながら操作を繰り返す必要があります。
このときレーザーの線幅が広いと、量子状態の崩壊や誤動作が起こりやすくなります。
そのため、量子ゲート操作には100kHz以下、理想的には1kHz以下の“超狭線幅レーザー”が要求されます。
これにより、精密で安定した状態制御が可能となり、演算の再現性やスケーラビリティにも大きな影響を与えるのです。
🌐 他方式との違い|なぜVECSELが選ばれるのか
VEXLUM社のVECSEL(垂直外部共振器型面発光レーザー)は、半導体レーザーのコンパクト性と、
ディスクレーザーの高安定・高出力性能を融合した構造を有しているため、量子コンピュータ分野に最適です。
波長可変性、<100kHzの狭線幅、モードホップフリー動作(>1GHz)を両立し、
研究から装置化までをシームレスにつなぎます。
🌐 高速変調でラマン操作にも対応|EOMオプションの効果
量子演算におけるRamanゲートやSTIRAP操作では、レーザーの振幅・位相・周波数の高速変調が求められます。
VEXLUMのVALOシリーズではEOM(電気光学変調器)オプションを選択することで、
最大1MHz帯域・50kHz/Vの高感度変調を実現します。
複数の量子ビットを並列かつ同期的に制御するためのインターフェースも整っています。
この幅広い変調性が量子制御システムに広い可能性を与えます。
🌐 VALO/VXLシリーズの仕様(量子用途向け)
VALOシリーズ(研究用ハイエンドモデル)
- 出力:0.5〜10W(SHG最大3W)
- 線幅:<100kHz
- 冷却方式:水冷
- 波長範囲:700〜2150nm(SHG:350〜800nm)
- 特長:EOM変調、モジュール構成、3-in-1構成(シード+増幅+SHG)
◎詳細仕様はこちら
VXLシリーズ(装置組込み・小型運用向け)
- 出力:同上(空冷モデルあり)
- 筺体サイズ:1.2L(超小型)
- ファイバ入出力対応、24/7運転、モードホップフリー設計
◎詳細仕様はこちら
🌐 まとめ|量子制御の中核を担うレーザー選定とは
量子コンピュータの基盤となるレーザー制御において、
必要とされるのは「狭線幅」「波長安定性」「柔軟な変調性」そして「装置への適応性」です。
VEXLUMのVALO/VXLシリーズは、それらをVECSEL技術で高水準に実現した、いわば“次世代の量子制御用レーザー”。
研究段階からスケーラブルな開発を視野に入れるなら、
単に性能の良いレーザーではなく「制御と発展性に強いレーザー」を選ぶべきです。
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