シリコン裏面加工の新技術~2 µm帯フェムト秒レーザーによる非接触・非熱プロセスとは|Rayven社 RayVen-L
2025年 05月16日
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✨ 裏面加工が求められる理由
半導体製造やマイクロエレクトロニクスの分野では、シリコンウェハの裏面への加工が重要な工程になりつつあります。
たとえば、裏面からのスクライビング、マーキング、内部改質などは、実装設計や歩留まり向上に寄与します。
しかし従来技術では、表面の透過性不足や熱変形、表面損傷などが大きな障壁でした。
その課題を解決するのが、RayVen社の2 µm帯フェムト秒レーザー「RayVen-L」。
このレーザーは、シリコンを透過し、裏面にピンポイントでエネルギーを集中できる新しい加工アプローチを実現します。
✨ 集光+多光子吸収で“裏面だけ”を加工する
RayVen-Lが採用する2085 nmの波長は、シリコンに対して高い透過性を持ちます。
これにより、レーザーをシリコン表面から照射しても、焦点位置までエネルギーを届けることが可能です。
さらに、750fsという超短パルスにより、焦点位置においてのみ多光子吸収が発生し、
裏面または内部のみに改質や加工を行えます。
このプロセスは、非接触かつ非熱的であるため、チップ表面へのダメージリスクを極限まで低減できます。
✨ 主な特長(仕様一覧)
- 波長:2085 nm(シリコン透過域)
- パルス幅:750 fs(フェムト秒領域)
- パルスエネルギー:最大1 mJ
- 繰り返し周波数:10–100 kHz
- 平均出力:最大10 W
- ビーム品質:M² < 1.2
- 出力安定性:RMS 0.35%以下
- 冷却方式:水冷式
- 設計特長:誤調整不要、堅牢筐体
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✨ 応用事例:裏面スクライビングからマイクロ構造形成まで
RayVen-Lは、シリコンウェハ裏面へのスクライビング → クリービング(割断)の加工フローに活用可能。
表面はそのままに、裏面から応力をコントロールすることで、
チップの高精度分割や個体識別マーキングにも応用されています。
また、裏面への微細構造形成や埋込型のマーキング処理にも適しており、
セキュリティ・トレーサビリティ用途でも導入が進んでいます。
✨ 非破壊・高精度な裏面加工の新スタンダードへ
RayVen-Lは、非接触・非熱・高安定という3拍子を揃えた加工プロセスを提供します。
シリコン裏面だけに加工できるという特長は、従来技術では不可能だった新たなプロセス設計や製品機能を実現します。
「表面は傷つけずに、裏側から加工したい」
そんな技術課題をお持ちの方に、2 µmフェムト秒レーザーは強力な選択肢です。
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