高反射・高屈折率でも正確に ― シリコン薄膜測定の最適解とは|Metricon社 プリズムカプラー
2025年 08月08日
🔍 なぜシリコン薄膜の光学評価は難しいのか?
シリコンは屈折率が約3.5と高く、かつ光を吸収しやすい材料です。
この性質が、干渉法やエリプソメトリーといった従来の手法では測定の不安定化を引き起こす原因となります。
さらに、酸化膜(SiO₂)やポリマー層上に形成されたアモルファスSiや多結晶Siの薄膜構造では、
界面反射や散乱によるノイズが増え、再現性のある測定が困難に。
膜厚が0.3〜3.5 µmという“中間帯”にある点も、既存技術にとってのブラインドスポットです。
🔍 プリズムカップリング法なら、高反射なSiでも安定測定
Metricon 2010/Mは、プリズムカップリング法を用いて試料の導波モードを励起し、
結合角(モード角)から膜厚と屈折率を直接導出する方式を採用。
特にSiO₂上のSi薄膜のように光導波構造を持つ場合、Si層をガイド層(導波路)として扱うことで、
非常に明瞭なモードディップが得られ、高再現性かつ高精度な測定が可能になります。
高反射材料でも測定ノイズが少なく、信頼できるデータが得られます。
🔍 測定範囲:0.3〜3.5 µmを高精度でカバー
膜厚に応じて高屈折率プリズム(n ≈ 2.65)と複数波長レーザー(633nm, 830nmなど)を組み合わせることで、
0.3〜3.5 µmの広範な薄膜領域をカバー可能。
特に0.3~1.4 µmは2枚構成のプリズムで対応し、1.4 µm以上なら通常の1枚構成でも安定した測定が可能です。
測定対象に合わせた柔軟な構成選択が可能で、研究用途にも生産工程にも対応します。
🔍 測定時間は30秒、非破壊・非接触で実施可能
測定は、試料をプリズム面に密着させて自動スキャンを開始するだけ。
前処理は不要で、試料を傷つけることなく膜厚と屈折率を同時に取得できます。
モード角の解析はソフトウェアで全自動化されており、1回の測定はわずか20〜30秒で完了。
材料探索から製造ラインでの膜厚モニタリングまで、スピードと安定性の両立を実現します。
🔍 応用分野:太陽電池・MEMS・フォトニクス分野に最適
シリコン薄膜は、薄膜太陽電池、MEMS構造、シリコンフォトニクス、光導波路など、先端分野で幅広く活用されています。
これらの応用では膜厚や屈折率の微小な変化が製品性能に直結するため、信頼性の高い測定が不可欠です。
Metricon 2010/Mは、従来の測定が困難だったこの領域において、非破壊・高速・高精度という三拍子を備えたソリューションを提供します。
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