温度で変わる屈折率、その“変化量”を正確に捉える|Metricon社 プリズムカプラー
2025年 06月18日
🔍 なぜdn/dT(温度係数)の把握が重要なのか?
光導波路やフォトニクスデバイスの性能は、温度による屈折率変動の影響を大きく受けます。
AWGや干渉計、波長フィルタ、レーザー共振器などでは、わずかなn値変化が波長や位相に影響を与えるため、
dn/dT(屈折率の温度係数)の定量把握は欠かせません。
設計信頼性の向上や温度補償機構の設計には、高精度かつ再現性のある測定が求められます。
🔍 測定が難しい理由 ― “温度勾配”の罠
ただしdn/dTの測定は簡単ではありません。
従来手法では、加熱によってプリズムと試料に温度勾配が発生し、それぞれの屈折率が同時に変化してしまいます。
この状態では「どこまでが試料の変化で、どこまでがプリズム由来なのか」の切り分けができず、
誤差が大きく・再現性も低いという問題がありました。
🔍 温度差±1℃未満 ― 特許設計がもたらす安定加熱
Metricon社のModel 2010/Mでは、そうした課題に対して構造レベルでの解決策を導入。
プリズムと試料の両方を同時に・均一に加熱できるヒーターシステムを搭載し、
各部に設置された2本の熱電対が温度差を±1℃未満に制御します。
加えて、本体の断熱構造により消費電力は20W以下と省エネ設計。他の光学系への熱影響も抑えられます。
🔍 測定手順と時間 ― 全自動で20分以内に完了
測定フローはシンプル。プリズムを固定し、専用加熱クランプで試料をセット。
制御ソフトから目標温度を設定するだけで、自動で加熱・安定化・測定が完了します。
温度変化に伴う屈折率の直線変化を複数点からプロットし、その傾き(dn/dT)を自動算出。
25~200℃の範囲での測定が可能で、温度安定化までを含めても1条件あたり約20分で結果が得られます。
🔍 設計フィードバックにも ― 熱膨張や温度ドリフト解析へ
取得したdn/dTデータは、単なる材料物性にとどまらず、熱設計や接合部の屈折率マッチング、
光MEMSのドリフト対策にも活用可能。
特に異種材料の熱膨張差や、光路長変化に対する補償設計には欠かせないデータです。
2010/Mは、実装設計にもつながる“活きた評価”を提供します。
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