高出力フェムト秒レーザーの小型化がもたらす革新|LaserAtWork社 HUMMINGBIRDシリーズ

2025年 12月05日

フェムト秒レーザーといえば、従来は大型・高価・外付け装置が当たり前でした。
特に高出力のフェムト秒レーザーは、電源ユニットや水冷チラーが必須で、
装置メーカーはスペース・重量・熱設計と常に戦わなければなりませんでした。

しかし近年、レーザー技術の飛躍的な進化により、
高出力フェムト秒レーザーが劇的に小型化 されつつあります。
その象徴ともいえるのが LaserAtWork社の HUMMINGBIRDシリーズ(1030nm515nm) です。
手のひらサイズの筐体で1W級のフェムト秒パルスを出力するこのレーザーは、
装置設計の常識を大きく変えつつあります。

  ◎製品詳細はこちら

🪽 高出力フェムト秒レーザーは「本来大きい」のが常識だった

従来のフェムト秒レーザーは、

  • Ti:Sapphire を中心としたバルク構造
  • 大型の光学ステージ
  • 専用電源ラック
  • 水冷チラー
    というセットで構成され、外付け設置が前提でした。

このため、装置組み込みはほぼ不可能で、
レーザーは外側に置くもの
という前提で装置設計が行われてきました。

🪽 小型化革命の背景:Ybレーザー技術と高効率化

ここ数年での小型化の大きな要因は
Yb
(イッテルビウム)系レーザー技術の進化 です。

  • 高効率(熱ロスが少ない)
  • 高出力化が容易
  • 省電力
  • 発振器の小型化が可能

これにより、
大型ではなく小型の発振器でもフェムト秒パルスが安定生成できるようになりました。

🪽 HUMMINGBIRDシリーズが示す高出力×小型化の到達点

LaserAtWork社のHUMMINGBIRDシリーズは、その象徴的存在です。

◎ 1030nmモデル

  • >1W出力
  • <200fs
  • 50MHz
  • M² <1.2

◎ 515nmモデル

  • >0.5W出力
  • <200fs
  • 50MHz
  • SHGによる高効率グリーン光

これらのスペックは、従来は大型筐体でしか得られなかったもの。
それが 70×49×28mm という超小型ボディに収まっています。

🪽 小型化がもたらす装置開発へのインパクト

 1. 「内蔵レーザー」が当たり前になる

レーザーを外付けする必要がなくなり、
顕微鏡・分光器・計測装置の内部に 直接搭載 できます。

2. 光路が短くなる=安定性UP

外付けレーザー特有の

  • 振動
  • 熱変動
  • アライメントズレ
    といった問題が大幅に減少します。

 3. 装置の小型・軽量化

レーザーユニットの体積・重量が減ることで、
全体の筐体サイズを大きく縮小できます。

 4. 設計の自由度が爆発的に向上

レーザーの位置をどこに置くか?
から解放され、

  • センサー近傍への配置
  • 光学ユニットとの一体化
  • 全体コンパクト化
    など、新しい設計が可能になります。

🪽 小型レーザーはレーザー技術の民主化を進める

高価・大型・専門環境が必要だったフェムト秒レーザーが、
小型・省電力・空冷で扱えるようになったことで、
レーザーの利用シーンが一気に拡大します。

  • 研究室だけでなく、装置としての量産が可能に
  • OEM組み込みが現実的に
  • モバイル型・フィールド型計測装置にも搭載可能
  • 圧倒的な低コスト化の余地
  • 若手研究者・中小装置メーカーでも扱える

フェムト秒レーザーが一部のハイエンド用途だけのものではなくなる
という大きな変化を生み出しています。

🪽 まとめ:小型化は性能だけでなく価値を変える

高出力フェムト秒レーザーが小型化されたことで、
装置メーカーは今まで不可能だった製品設計に挑戦できるようになりました。

  • レーザー外付け前提からの解放
  • 設計自由度の飛躍的向上
  • 装置の一体化・移動性向上
  • コストとメンテ負荷の大幅削減

LaserAtWork社のHUMMINGBIRDシリーズは、
その先端を走る象徴的存在です。

小型フェムト秒レーザーを取り入れた装置開発について、
ぜひお気軽にご相談ください。

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