テクニカルノート

実用可能な発振線

2020年 02月05日

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種々の赤外発振線が純粋なネオンの中で発振し、632.8nmの線さえ発振するでしょう。ただし、それは異なった圧力とずっと長いチューブを必要とします。632.8nm線が同じくネオン:アルゴン、ネオン:酸素や他の混合ガス内でも現われます。周期表に出てくるほとんどすべての元素が、正しい励起を与えられれば発振します。「レーザーの CRC ハンドブック」や、より大きな図書館で借りられる発振線の多くの要約の1つを見てください。これらは通常4巻のセットで、それぞれは電話帳のサイズほどあり、観測された発振動作に関するすべての出版された学術雑誌掲載論文で満たされています。残念なことに、これら何千何万という発振線の中から、たった7つの異なったタイプのレーザーだけが主流の用途になっています。
ネオンの中には、励起状態からより低いエネルギー状態(準位)までの遷移でレーザー発振をもたらすことができるものが多く存在します。最も重要なものが下に列挙されています(商用の He – Ne でレーザーの中で最も一般的に用いられているものはそのうち3種だけです。)。

(1) (2) (3) (4) (5) (6)
出力波長 HeNeレーザー名 認識されたビーム色 レーザー遷移 典型的ゲイン (%/m) 最大出力 (mW)
直線(ランダム)
543.5nm グリーン 3s2->2p10 0.52  0.59 2 (5)
594.1nm イエロー オレンジ-黄 3s2->2p8 0.5    0.67 7 (10)
604.6nm オレンジ  3s2->2p7 0.6    1.0 3
611.9nm オレンジ 赤-オレンジ 3s2->2p6 1.7    2.0 7
629.4nm オレンジ-赤 3s2->2p5 1.9    2.0
632.8nm レッド 3s2->2p4 10.0   10.0 75 (200)
635.2nm 3s2->2p3 1.0    1.25
640.1nm 3s2->2p2 4.3    2.0 2
730.5nm 近赤外近辺 3s2->2p1 1.2    1.25 0.3
886.5nm 2s2->2p10 1.2    1.25 0.3
1,029.8nm 近赤外 不可視 2s2->2p8 ???
1,062.3nm 2s2->2p7 ???
1,079.8nm 2s3->2p7 ???
1,084.4nm 2s2->2p6 ???
1,140.9nm 2s2->2p5 ???
1,152.3nm 2s2->2p4 ??? 1.5
1,161.4nm 2s3->2p5 ???
1,176.7nm 2s2->2p2 ???
1,198.5nm 2s3->2p2 ???
1,395.0nm 2s2->2p? ??? 0.5
1,523.1nm 2s2->2p1 ??? 1.0
3,391.3nm 中赤外 3s2->3p4 ???    440.0 24

註:

出力波長は概数です。実際の発振状態(シングルモード、マルチモード、ドップラー広がりなど)によるわずかな相違のほかに、参照値の一部は表示されている4から5桁の波長に合致すらしません。

He-Neレーザー名称はカタログや仕様書でよく見られるであろうものです。この表で見出しを持つものすべては商業的に容易に利用可能です。
認知されたビームの色とはそれが白いスクリーンに拡大投影されるとき、どのような色に見えるかというものです。 もちろん、各自の眼球の修正レベルに依存するため、この色は個人毎に異なります。

レーザー遷移とは、いわゆる「パッシェン表記法」を使用し、誘導放出が起こるネオン原子エネルギー状態(準位)の電子殻の間隔を示します。
典型的なゲイン数値(%/m)は、レーザーチューブのボア内部の波長における誘導放出による光強度の比率増加を意味します。これは一つのパスゲインであり、チューブ構造、ガス充てん比率と圧力、放電電流や他の要因によって影響されます。最初の数値はさまざまな情報源を元にしています。2番目の数値はHechtによる「レーザーガイドブック」からです。 しかしながら、もっと新しいテキスト:Mark Csele 、「光源とレーザーの基本」(ISBN 、0-471-47660-9、Wiley – Interscience 、2004年)が633nmにおいて典型的なゲインに1.2から1.5と載せています。そして私自身と他の人たちによっての計測はこの表よりも少し高い値が、少なくとも若干の条件の下で、より正確であることを示すように思われます。

1,523nmに於けるゲインは543.5nmにおけるゲインと類似していて、およそ0.5%/mほどです。3,391nmに於けるゲインは、他のどの波長よりも遥かに高く、おそらく100%/mを超えるでしょう。40cm未満の長さのボアでたった60%の反射率のOCを用いてこの波長で発振できるHe-Neレーザーが存在することを私は知っています。それでも、最長の3,391nm商用He-Neレーザーの出力は、632.8nmでの出力の一部に過ぎません。

最大出力の列では、それぞれの波長でTEM00ビームで提供される最大出力の商用レーザーを掲載しています。 最初の数値は定格出力を表し、()内の数値は特に生きの良いチューブで達成された出力を表します。多数の(空間)モードで稼働しているレーザー(非 TEM00)がいくぶん高い出力を示すこともあります。

最も普通で最も安価な He-Neレーザーは632.8nmで「レッド」と呼ばれるレーザーです。ただし、「色」で名付けられているその他のレーザーすべての中で、人間の目の応答曲線のピーク(555nm)近辺で増加する視認性によって、「グリーン」がおそらく2番目の人気を持つでしょう。そして、不十分な狭線幅ミラーを持つ He-Neレーザーの一部で、標準的な632.8nmの赤以外に、その比較的高いゲインのために640.1nmの赤を弱い出力として見ることもあります。ノブを回すことによって、5種かそれ以上の波長を選択出力できるHe-Neレーザーさえあります。私達は通常 He-Neレーザーは赤外線の(つまり見えない)ビームを発振するとは考えませんが、赤外発振線は非常に強く、場合によっては可視の発振線よりも強く、表に掲載されている波長の全てにおいてHe-Neレーザーは商業的に利用できます。

1960年代初期に開発された最初のガスレーザーは、1,152.3nmで作動したHeNeレーザーでした。実際、3,391.3nmでの赤外発振線は非常に強いため、「超放射」モードで稼働するHeNeレーザー(ミラー無し)は、この波長で製造可能であり、- 商用の3,391.3nmの HeNeレーザーは、50パーセント以下の反射率しか持たない出力側ミラーを使うこともできます。これと対照的なのが、最も一般的な632.8nm(赤) He-Neレーザーで、非常に高い反射率ミラー(しばしば99パーセント超)と損失を最小にする細心の注意を必要とし、そうでないとまったく機能しません。

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