「自分自身の心を変えることで、現実を変えることができる」──そうした本質を持つTL人間学。
仕事で、壁や問題にぶつかったとき、それを実践することで社員はどのように変わったのか。
ここでは、実際のエピソードを通して、その事例をご紹介します。
仕事で、壁や問題にぶつかったとき、それを実践することで社員はどのように変わったのか。
ここでは、実際のエピソードを通して、その事例をご紹介します。
実践ストーリー 社員Aの場合
プロジェクトを円滑に進めるためには、社内の密な連携が不可欠。気持ちがすれ違えば、成功は遠のいていく。勤務歴15年のAも、そのことを肝に銘ずるベテラン営業マン。日々業務に励む心の奥底には、ある苦い経験から得た、教訓があった。
焦りがつのる日々

「いったい、どうなっているんですか」。苛立ちを抑えながら、Aは言った。数週間前には得意先へ納品されていたはずの機器が、いまだ輸入元の海外メーカーから、発送すらされていない。「まだメーカーから連絡が入らないし、私にも分からないですよ!」。矛先を向けられた社内の輸入管理担当者も、思わず感情的になって応じる。
海外企業と取り引きしている以上、多少の行き違いには慣れているつもりだ。しかし、いっこうに納品のメドが立たない今回のケースでは、Aは冷静さを保つことができなかった。
「お客様にはとにかく頭を下げ続け、なんとかお待ちいただけるように頼み込みました。一方、輸入を管理している担当者には『もっと強く急かしてくれ、それが仕事だろう』、と迫る。私は、ちゃんと自分の仕事を果たしている。だから、そちらもしっかりと責任を果たしてほしい──そんな思いでいっぱいでした」
しかしいくら焦っても、事態は前進するどころか、先行きが不透明になるばかり。納期は遅延を重ね、海外メーカーとの連絡も滞りが目立つようになった。
海外企業と取り引きしている以上、多少の行き違いには慣れているつもりだ。しかし、いっこうに納品のメドが立たない今回のケースでは、Aは冷静さを保つことができなかった。
「お客様にはとにかく頭を下げ続け、なんとかお待ちいただけるように頼み込みました。一方、輸入を管理している担当者には『もっと強く急かしてくれ、それが仕事だろう』、と迫る。私は、ちゃんと自分の仕事を果たしている。だから、そちらもしっかりと責任を果たしてほしい──そんな思いでいっぱいでした」
しかしいくら焦っても、事態は前進するどころか、先行きが不透明になるばかり。納期は遅延を重ね、海外メーカーとの連絡も滞りが目立つようになった。
見えてきたのは“人任せの自分”
万策尽きたかに思えた頃、ふとAは考えた。「このままで、いいのだろうか」。問題に直面しているときこそ、TL人間学のメソッドに沿ってこの事態に向き合うことが必要ではないか。Aは、まず落ち着いて自身の心の動きを追い、見つめ直した。
「見えてきたのは、“頼んだ後はやってもらって当然、と人任せにしていた自分の姿”だったのです」
Aは、当時を振り返って言う。
「これまでは、なにか問題が起こったとき、『自分はここまでやったんだから、あとはそっちの仕事だろう』と、責任を手放していたのです。事態の重大さを引き受けず、輸入管理担当者やメーカーのせいにして、いつの間にか人任せにしていたのです」
納期が遅れることで本当に困るのは、自分ではない。お客様だ──。そんな、もっとも大切なことを置き去りにしていたことに気づいたAは、再び動き始めた。
「見えてきたのは、“頼んだ後はやってもらって当然、と人任せにしていた自分の姿”だったのです」
Aは、当時を振り返って言う。
「これまでは、なにか問題が起こったとき、『自分はここまでやったんだから、あとはそっちの仕事だろう』と、責任を手放していたのです。事態の重大さを引き受けず、輸入管理担当者やメーカーのせいにして、いつの間にか人任せにしていたのです」
納期が遅れることで本当に困るのは、自分ではない。お客様だ──。そんな、もっとも大切なことを置き去りにしていたことに気づいたAは、再び動き始めた。
思いの共有に向かって

Aは、一番の協力者である社内の輸入管理担当とじっくりと話し合った。すると輸入担当者も同じように「自分の仕事さえしていればいい」という考えでこの事態に向かっていたことが分かったのだ。Aは、輸入管理担当者にお客様の困っている状況を詳しく伝え、「自分たちのためでなく、お客様のために最善を尽くそう」という共通の目的を掲げた。そしてこれまでのように頭ごなしの催促ではなく、こちらの状況を丁寧に説明した上で、再度海外メーカーへ問い合わせるようお願いした。
「相手と思いを共有し、共通の目的をはっきり掲げることが大事なのだと気づかされました。仕事の役割が違えば、当然視点も違います。立場や役割によってバラバラになっているそれぞれの想いを、自分が中心になってひとつにつなぐこと。私がまずやらなければならなかったのは、それだったんです」
「発送されました!」。そんな知らせが届いたのは、それから間もなくのことだった。
「相手と思いを共有し、共通の目的をはっきり掲げることが大事なのだと気づかされました。仕事の役割が違えば、当然視点も違います。立場や役割によってバラバラになっているそれぞれの想いを、自分が中心になってひとつにつなぐこと。私がまずやらなければならなかったのは、それだったんです」
「発送されました!」。そんな知らせが届いたのは、それから間もなくのことだった。
連携で乗り越えた最後の危機
これで、ようやく終わりを迎えたはずだった。ところが、手違いにより、予定していた飛行機に製品が積載されていないという。遅れているならばせめて1分、1秒でも早く届けたい──。Aは、空港で荷物を受け取り、遠方ではあったが直接お客様の元へ届けようと準備を進めた。しかし最善の策は、すでに講じられていた。輸入管理の担当者が運送会社に経緯を説明し、なんとか最短の方法で届けてくれるように交渉していたのだった。しかも、得意先への事情説明もすでに終えているという。彼もまた同じように切実に事態の解決に向かってくれていたのだ。
Aがもしいつもと同じように人任せにし、社内の連携を深めていなければ、このスムーズな対応もなかったはずだ。
「自分の仕事なのに、いつの間にか他人事にして人任せにしてしまう、この気持ちをいつも繰り返していたことが、この出来事ではっきりしました。それがお客様にご迷惑をかけるばかりか、社内の連携すら滞らせていたんですね。あの一件以来、輸入管理担当者とはお互いに意見を言いやすくなりました。やはり仕事の一番のやり甲斐は、お客様が喜んでくれること。そこに向かって、一緒に頑張っている。今は、そんな実感があります」。
Aがもしいつもと同じように人任せにし、社内の連携を深めていなければ、このスムーズな対応もなかったはずだ。
「自分の仕事なのに、いつの間にか他人事にして人任せにしてしまう、この気持ちをいつも繰り返していたことが、この出来事ではっきりしました。それがお客様にご迷惑をかけるばかりか、社内の連携すら滞らせていたんですね。あの一件以来、輸入管理担当者とはお互いに意見を言いやすくなりました。やはり仕事の一番のやり甲斐は、お客様が喜んでくれること。そこに向かって、一緒に頑張っている。今は、そんな実感があります」。

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